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2008. . 06

『短編』から、はるばるようこそ、そこの方

セルフ『木蓮を踏む』解説をしたいと思います。
受けなかったギャグを説明する気恥ずかしい状況にそっくりですが、お暇でしたらお付き合いください。

冒頭、久しぶりに父と会うと思うと、『私』はひどく緊張します。
なので、妄想した生産ライン上の自分ズも、みんな不安そうです。
春の曇り空は、そのままナーバスな心情を映します。
枝の木蓮の花は、かつて父へ抱いた純粋な信頼と愛情を示します。
それに、そっと手で触れ、思い出す。

エントランスで父を待つ。緊張はピークに達します。

父との食事。
そもそも、想定した父の性質に、『近しい女と関係を絶つ』があります。
彼は、あまりにも確固とした自己を持つため、他人に対して病的に非寛容なのです。
しかし、自分の異常さには自覚的で、『普通』の人間でいようと努力してきました。
生家では上手くいきませんでしたが、なんとか自分の家庭を築き、子供も育てました。
歳を重ねるごとに、他人と折り合えない性を抑えきれなくなり、家庭との断絶をはかります。
彼にとっては、それが自分に素直に生きることだったのです。
で、歳をとることは、『かくあるべき』自分を失うこと。
 
『私』は、自分の愛した父は、偽りのものだったと思います。
(実際、父の『私』に対する愛情は本物かもしれませんが、少なくとも『私』はそう感じます)
ロチェスターさんが、とても辻褄の合った読みをして下さいましたが、浮気うんぬんはあんまり念頭にありませんでした。

そして、『私』は木蓮を踏みます。
父への思いの、キレイだった部分を、無理やり踏みにじる。
うららかな春の光の中、自分の心の一部分を殺したのです。
すっかり緊張も切れ、新生活への漠然とした希望を胸に、街を歩きます。
スプリングコートや、歩きよい靴は、消費の楽しさで『私』を満たしています。
父を嫌っても、二万円の嬉しさは変わらない。
上辺の晴れやかさの下に、ドス黒いものを感じて頂けたら、と思います。

掲示板で頂いた、『no name』さんのご感想に、ぎょっとしました。
これ、ほとんど私小説、恋空ですので、『鈍い刃物のような』性が、まんま自分に受け継がれている気がしたからです。
しかし「怖い」というのは、まさに伝えんとした感覚です。小成功。
 
元々2000字くらいだったのを凝縮したので、『父』の描写が少ない。それが話をぼやけさせ、訳わかんない仕上がりになりました。

長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
http://tanpen.jp/
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comment

qbc
短編に投稿しているqbcです、はじめまして。
優勝おめでとうございました。

『鈍い刃物のような性』というところ、私は
「性別」の性と読んでおりました。「性分」の性だったんですね。

>上辺の晴れやかさの下に、ドス黒いものを感じて頂けたら、と思います。
このあたり、そこまで黒々とした部分は感じられず、
どちらかといえば私は上辺を取り繕って内心は父との断絶を
ネガティヴに感じているところもあるのでは、と思いました。
ただどちらとも取れる部分なので、読者に想像の余白を残して
いたかなとも思います。
2008.02.14 00:27
森 綾乃
わぁqbcさん!いらっしゃいませ♪

ご投票に感想・コメントを、本当にありがとうございます
めっちゃ嬉しくてキュンとしました(・ω・)

>ただ劇の盛り上げ方に不満がある。
最後、木蓮を踏んだことに関して、斜読みしたときに
気付きにくい。斜め読みしてても気付くくらい
印象的な構成っていうのに挑んでみても良いかと思う。

印象的な構成←コレすごく重要ですね
見せたい部分の見せ方を、ちょっとまじめに考えました

>『鈍い刃物のような性』というところ、私は
「性別」の性と読んでおりました。「性分」の性だったんですね。

はい、“サガ”のイメージでした

同じ部分でも、いろんな読み方をしたご感想を頂きました
文章を読むことは、自己の投影かもなぁ、と今更思った今日この頃です
余白をのこしつつ、根本はブレずに伝わる文章を目指したいです

ぎりぎりバレンタインなので、告白します 笑
qbcさんの、締まった会話文と、人間の見方(あるいは切り口)が好きです

ちなみに…HNの『qbc』は何と読むんでしょうか?
自分は、ココロの中で一人、キュービックさんと読んでました
何か…すみません
2008.02.14 23:46
qbc
>印象的な構成←コレすごく重要ですね
>見せたい部分の見せ方を、ちょっとまじめに考えました
このあたりは森さんなら構成とかもう考えていいだろう、
と思って提案してみました恐縮です。
A面っぽい売れ筋の曲のPVなんか見ると劇的構成が
分かりやすいんじゃないかと思います。


>文章を読むことは、自己の投影かもなぁ、と今更思った今日この頃です
>余白をのこしつつ、根本はブレずに伝わる文章を目指したいです
まさしく自己の投影と私も同感です。
人は自分の中の語彙でしかその言葉を理解できない。
「ムーミン谷」ときいてミイを思い浮かべるかスナフキンを思い浮かべるか、
人それぞれ。

>qbcさんの、締まった会話文と、人間の見方(あるいは切り口)が好きです
ありがとうございます。すごく私も嬉しいです。
会話文はたぶん映画の影響じゃないかなと思います。
人間の見方は、あまりなにも考えずに素直にありのままに、
と心がけています。
そしてqbcは「栗林」と読みますよ。

※いま短編掲示板でやってる「ひとり短編」も、よろしかったら、どうぞ。
クオリティの気になる作品もありますが、短編で勝てなさそうな作品を
集めてみました。
2008.02.15 10:31
森 綾乃
>A面っぽい売れ筋の曲のPVなんか見ると劇的構成が
分かりやすいんじゃないかと思います。

おお…すごく分りよいです
ステキな表現ですね

>そしてqbcは「栗林」と読みますよ。

スッキリ!致しました 笑
ありがとうございます

『ひとり短編』
響きにもう笑いました
じっくり読ませて頂きます
2008.02.17 01:44

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